追い剝ぎが上手にできずに悩む彼に、牧師さんが上品に金品を奪う方法を提案してくれます。今も見かけるあの方々は、この山賊の息子の名残だったんですね。気になる方は映像を探してみてくださいね。
飲酒をめぐって様々な契約を悪魔と交わす主人公ですが、最後は契約期限を「樫の葉が落ちるまで」とし、樫は常緑樹で全ての葉が落ちることはないので、悪魔に命を渡さずに済んだという話です。途中、飲酒により科せられる強制労働の描写がシュールで面白いですが、そもそも主人公のアル中が悪いのに悪魔撃退でめでたしめでたしってなんじゃそりゃ!という気持ちが残りました笑。
原作を読む前にこの作品を見ると、見事にぞっとする良作ですが、原作2つを読んでみると、リラダンの希望は超えられてない印象です。こちらが気に入った方はリラダンの残酷物語という短編集、オススメします。
割られた薪たちの春と、それを邪魔しにくるカラス、最終的にはカラスは火あぶりにされ、薪が勝利するも、薪は薪なので火に焚べられて終わり、というシュールな短編。
薪たちに中途半端に人間の顔が描かれていたり、火が草を使って描写されているところがなかなか面白いです。
ホラーというジャンルにするには違和感があるようや気もしますが、見終わった時の気持ちは紛れもなくホラーです。ホラーとは何かを考えさせられる作品ともいえます。シュヴァンクマイエル本人が冒頭に出てきて自ら解説をしたり、本当の精神病患者を使って精神病棟を描くなど、斬新なつくりです。不思議と何度も見たくなる、でも二度と見たくない映画です。でも明日も見ます。
しかしこのアニメ、すべてはエンディングのための前置きという感じもします。最後のシーンで、主人公はキャンバスに三角を描き、そこで「ジャーン」となって終わるのですwまさにキューブの終わり。なんだそりゃ、という感じもしますが、深いといえば深い。
映画そのものへの反抗、それも最後に全部ぶっ潰れて終わり、そして強い含みを持たせたメッセージの掲示。高齢の文化層に絶賛する方は多いですが、正直、圧政下の映像作品にありがちな感じがして個人的にはあまり好きじゃないです。
の人形を動かし、一コマ一コマ撮影する監督。を一コマ一コマ動かす更に外側の人、と、アニメの外側がどんどん開かれていく。最後に主人公が自分を叱った相手を蹴飛ばして監督にヒットすることで、外の世界への逆襲を果たしたとも取れます。
老夫婦のもとに、入れたものが増えて出てくる壺が現れるのですが、お金を入れてどんどん増やしている最中に、間違っておじいさんがその壺に入ってしまうというお話です。40人に増えてもいつも通りの生活を続けるおじいさんに、おばあさんがヒステリックを起こす様など、頭を使わずにたくさん笑えるアニメです。
どこらへんがタフなのかよくわからないタフなビリーが蚊を撃退していく短編アニメです。タフなビリーシリーズはいくつかありますが、ビリーの顔が全然違う適当具合もいいです。
日本語吹き替え版DVDも出ましたが、やっぱり原作の、全声おじさんボイス版で見るのが味があります。特に、子羊があやしげな草を食べて、幻影が見えたり崖に向かって一心不乱に走っていったりするお話は、そんなアブナイ話子ども向けアニメで大丈夫?!と心配になりますw
個人的には不毛な対話がもっとも好きです。二人の話が噛み合ったり、ずれていったり、口論となる様子が、言葉を使わずに描かれています。噛み合わない描写がとてもシュールで、まあ実際人間の会話ってこんな感じだよなと思い返されます。
小部屋に片手が現れるところから始まり、体のパーツが次々にやってきて、最終的には成人男性一人が完成するというショートフィルム。
両耳はくっついて蝶のように舞っていたり、脳みそがやってきて頭を開いて放り込むなど、斬新な描写がグッときます。
自分の講演がお客さん達の頭の中でひらめきや喜びを生むイメージをしているが、実際にはまるで誰の心にも響いていない雄弁家の話です。お客さんの頭の中で雄弁家が語ったことが整然と組み直されたり、かえってごちゃごちゃしたり、むしろ聞くのをやめて別のことを考え始める様子が、とてもうまく表現されています。