一言でいうと「一筋縄ではいかない漫画」です。各話は独立しており、”少年”が様々な人間を観察していく形でストーリーは進みます。時代背景も主人公もバラバラなのですが、少年が言う「人間て不思議だ」にはとても重い意味があり深いです。
「人間は愚かだ」と鼻で笑う少年ですが、一緒に過ごすうちに人間に情を抱いたり、まっすぐな意志に魅せられて生きる手助けをしたりと、非情になり切れず苦悩する姿が切ない。
私のおすすめは「由利香」です。少年が見せる最後の憂いの表情と、あまりに不憫で理不尽なラストは悲しいながらも美しいです。